地松を 「見て」 「触れて」 「感じて」 ください

工場見学について



地松製品には一本一本、一枚一枚にそれぞれの持つストーリーがあります。
豊かな土壌ですくすくと生長したマツ。水分も養分も少ないやせた地で年月をかけてじっくり育ったマツ。急峻な地形のもと、風雪に耐えなが
らそれでも太陽に向かって力強く伸びたマツ。
私たちは70年間にわたってそれらの天然の恵みを扱わせていただき、良材を皆様にお届けしたいという強い気持ちで製材に努めてまいりまし た。
直接工場に足を運んでいただき、製材品ができる過程を生でご覧いただくことで、私たちの持つ想いをよりわかりやすく皆様にお届けすること
ができるのかな、と思っています。
敷地内に満たされたマツの香り、鋸を通すときの少し甲高い音、丸太の個性的な年輪や表情。
工場内でしか得られない独特の雰囲気を感じていただきながら、地松にまつわる色んなお話を交わすことができるのであれば、作り手である私
たちにとってこの上ない喜びです。
工場見学をご希望の方は事前にフォーム、お電話またはFAX によりご連絡をお願いいたします。
岡山県北部に位置する田舎の小さな工場ですが、皆様からのご来場をスタッフ一同、心よりお待ち申し上げております。

赤身材について
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地松を製材するメーカーさんは全国にも数社ありますが、弊社が他
社様よりも得意と自負する部材のひとつとして赤身材が挙げられ
ます。赤身材は文化財、世界遺産のほか高級住宅の材料としても使
用される頻度の高い商品です。地松の赤身はヒノキ、スギなどの他
の針葉樹と比べても取れる量が格段に少なく(注)、特に化粧材とし
ては希少性の高い部位となります。全国の原木市場に赤身の張った
丸太が出材されたときには常に連絡が回ってくる体制をとってい
ますので、入手が困難と思われた場合でも弊社であれば対応させて
いただくことが出来る可能性が高いと思っていただければと思い ます。
また製材についても赤身、赤身勝ちと受注に合わせた製材を熟練の
オペレーターが丁寧に行っております。全国のお得意先にもご好評
をいただき、数々の納入実績を重ねております。
赤身材の入手にお困りの業者さまにおかれましては、ぜひとも工場
見学、またはお問い合わせをいただければ幸いです。

(注)一般的にスギやヒノキは15年程度で赤身が表れ始めますが、ア
カマツの場合30年程度の年月を要します。
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製材工程について
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原木仕入れ
弊社の扱う地松はすべて中国地方を中心とした全国の「原木市場」というところから調達しています。
原木市場は地松丸太との最初の出会いの場。地松の原木一本一本と真剣に向き合って、「競り」または「入札」というオークション形式で手に入れたい地松の丸太を買い付けます。
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皮むき
山から切り出され、原木市場を経由して運ばれた丸太は選別ののち、「チェーンバーカー」と呼ばれる皮むき機に投入されます。地松の樹皮を剥ぐことで山から切り出される最中に噛んだ小石を取り除くことができます。これは製材の時に製材所の命でもある「帯鋸」と呼ばれるのこぎりの歯を傷めないため。
また剥がされた樹皮はバイオマスエネルギーとして、人工乾燥機の熱源に利用されます。
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製材(粗挽き)
木の外観・形状・年輪からその素性を予測し、一本の丸太をどのように製材していくか(木取りと呼ばれます)を決め、それに従って慎重に製材していきます。
高値で手当てをしたのに、いざ鋸を入れてみると思ってもみないところから節やヤニツボが出ることも珍しいことではありません。
粗挽きは一本の丸太が最終的にどのような製材品になっていくのかを決める最重要な過程の一つです。
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割れ止め
粗挽きした製材品は放っていたら必ず表面割れが起こります。しかし敷居や鴨居、框などの造作材や「芯去り材」と呼ばれる高価な材には表面割れは許されません。
せっかく丁寧に挽いたものに割れを起こさせないように、弊社では一本一本丁寧に専用の塗料を塗っていき、人工乾燥に備えています。
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人工乾燥
製材された木材は、その用途によって最適な含水率(木に含まれる水分の割合)まで下げることが必要とされます。その過程で必要となるのが人工乾燥機です。
乾燥機内の温度・湿度・風・時間の組み合わせによってつくられる「乾燥スケジュール」は無限にあります。
針葉樹のなかでも特に割れやねじれの起こりやすい地松の短所を最小限に抑えながら、目標とする水分まで下げるため、経験に裏付けされたオリジナルの乾燥スケジュールによりおよそ2週間かけてじっくりと製材品の含水率を落としていきます。
弊社では地松本来の色艶を損なうことのないよう、中温乾燥(70℃前後まで)と呼ばれる乾燥方式を採用しています。
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養生(ようじょう)
人工乾燥により含水率を下げられた製材品を、外気と数カ月間なじませることで木材の中の水分の偏りを解消していきます。このステップを省いてしまうと、いくら最適なスケジュールで乾燥された松材でも、仕上げ挽きの直後に曲がったりねじれたりすることが多々起こり得ます。
特にフローリングなどの伸縮がデリケートに問われる材では最低でも3カ月以上の養生期間をおくことにより、限りなく平衡含水率に近づけることが必須となります。
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仕上げ挽き
伐採から製材、乾燥を経て長い時間をかけて養生された材料を、受注に応じて一本一本挽き直しをしていきます。ここで当てずっぽうなところに鋸の刃を入れてしまうと、せっかくの今までの過程が無駄になってしまいます。
木の表情から節やヤニツボなどの欠点がどこからどう出てきそうなのかを予想し、経験に裏付けされた木取りにより丁寧に仕上げていきます。
この過程が終わるとあとはお客様のもとへ出荷されていきます。
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